pyolの読書日記🌙

試着室で思い出したら本気の恋だと思う (幻冬舎文庫) | 尾形 真理子 |本 | 通販 - Amazon.co.jp

試着室の恋の残り香。私たちが普段何気なく利用している試着室には、様々な人の思いが残っている。この物語にも、片思いや過去の恋愛への思い、恋人への思い。沢山の思いの残り香が感じられる。私は初めこのタイトルを見たとき、どういう意味なのかしっくりこなかった。しかし、実際に読んでみると、試着室で思い思いに感じる感情にすごく考えさせられた。ネガティブな感情だけではなく、マンネリ化したカップルが初心を思い返しもう一度相手を思いやる気持ちを思い出す。試着中という何気ないときに考えてしまう相手こそ大切にしたい相手である。その気持ちを改めて再認識した。

また、この物語のキーパーソンとなるのがこのお店のオーナー兼販売員の1人の女性だ。彼女のお客さま一人一人へ対する一言一言が私の心に刺さった。私自身幼い頃よりファッションが好きで、服1着1着への思いを大事にしていた。その心を代弁してくれるような彼女の言葉選びに心惹かれた。私も販売員になるならこんな女性になりたいと感じた。そんなお客さま一人ひとりの思いを応援している彼女もまた1人の女性で恋をしている。それが最後に明かされて、ハッピーエンドであったことは、最後に私の心をより暖かくした。

 

是非皆さん読んでみて下さい。